ABOUT
ある作家の方から、お手紙をいただきました。
その一部を、抜粋してご紹介いたします(※ご本人のご承諾を頂いております)。
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拝啓 珈琲ふじ乃さま
あの日、友人から差し出された一杯のコーヒー。
その豊かな香りに誘われ、ふと「この豆はどこのもの?」と尋ねたのが、ふじ乃さんとの出会いでした。
私自身、かつてはコーヒーの微妙な味わいの違いにあまり心を向けたことがありませんでした。
けれども、ふじ乃さんの豆には、まるでひとつの調和が宿っているようで飲み終えた後もそっと心に余韻が残りまた。
そして、耳にしたのは「手廻しで、間接遠赤外線を用いて、少しずつ丁寧に焙煎されている」という、私には馴染みのない不思議な響きでした。
奥さまの「美味しいね」というひと言から始まった物語に、あの一杯の静かな美味しさの秘密がそっと隠されているのだと、しみじみと感じました。
これからも、またあの温かな香りと味に包まれる日を、心待ちにしております。
敬具
